パリトーン×真空蒸着技術【ぱりとん君の新提案】

こんな使い方もあります

パリトーン×真空蒸着技術

博士
今回はパリトーン×真空蒸着被膜じゃ。

ピエーロ
知らない言葉が多いデス。

ぱりとん君
僕もよくわからないな。
そもそも蒸着ってなに?

 

蒸着とは何か?

博士
カンタンに言うと、金属等を蒸発させて、素材の表面に薄い膜を付ける方法じゃ。

ぱりとん君
・・・?

博士
そうじゃな・・カレーを作る時に鍋に蓋をして煮込むじゃろ?
しばらくして蓋を開けると裏に水滴がついてる。
考え方としてはこれと同じじゃ。

ぱりとん君
蒸発した物質が離れた対象物に付着するってこと?

ピエーロ
コーティングって考えデスカね?

博士
そんなところじゃ。それで今回はパリトーンPL201クリスタルホワイトとPL213雪花に蒸着してみたんじゃ。

 

実際にやってみた

博士
蒸着には物理蒸着(PVD)と化学蒸着(CVD)に大きく分けられるんじゃが、今回は物理蒸着の一つ、「真空蒸着」という手法じゃな。

博士
先ずはこちらを見て欲しい。

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ピエーロ
普段と大分違いますネ。

標準時の写真はこちら(パリトーン3つのシリーズ
ぱりとん君
赤とかオレンジ、青っぽく見えたりしてるね。

博士
左が「赤を反射」させて、その他を「透過」させておる。右はその逆じゃな。

博士
この写真は透過した光(透過光)は黒い布に吸収されておるので、反射光のみで色が認識できるんじゃ。

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ぱりとん君
博士質問!透過させた光が反射したら色はどうなるの?

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博士
こうゆう事じゃな。

ぱりとん君
そうそう。

博士
分かりやすく、下に光源を仕込んで光らせれば・・・

ピエーロ
見えるのは透過した光デスね。

博士
そうじゃ。じゃから色が反転する。
こんな風にのぉ。

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ぱりとん君
これ同じ板?

博士
そうじゃ。左は何もせずに、右側は裏面から光をあてておる。

博士
もっと簡単に、黒い紙と、白い紙の上でもこのようになる。

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ピエーロ
「反射光」と「透過光の反射光」の光の強さで見え方が変わりそうデスネ。

ぱりとん君
物体には「吸収」もあると聞いたことあるけど?

博士
基本的には「反射」「透過」「吸収」なんじゃが、この薄膜に関しては「吸収」がゼロじゃ。

博士
その結果「反射」と「透過」が補色の関係になるんじゃ。

ぱりとん君
ホショクって?
博士
大まかに言ってしまえば反対色じゃな。
反対色の方が該当する色が多いんじゃが、、、その関係は後ほど説明しよう。

博士
更に今は正面からじゃが、少し角度を変えてみると・・・

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ぱりとん君
色が変わった!

博士
これは角度依存といって入射角、反射角で色が変わるんじゃ。

ピエーロ
では①光源を動かす、②ガラスを動かす、③見ている人が動くような場所で使えば、色がどんどん変わっていくって事デスカ?

博士
そういう事じゃ。

ぱりとん君
じゃあ、ガラス自体がデコボコしてたりしたら・・・

 

応用編とQ&A

博士
では、例えばこの様なデコボコした対象を用意しよう。

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博士
そして蒸着は全面でなく、一面だけでも十分に効果があるので、今回は底面のみに蒸着加工を施す事にしよう。

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博士
これらを角度を変えてみたり、光源を仕込んでみたり、その光源の光の色を変えると・・・こうゆう事になるんじゃ。

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ピエーロ
反射と屈折がより複雑になり、様々な色がデテテ素晴らしいオブジェデス。
ぱりとん君
これも蒸着なの?
博士
波長のコントロール、膜の厚み等でかなり多彩な表現ができるんじゃ。
ぱりとん君
膜を作るって事はめっきとは違うの?
よく金メッキとかいうじゃん?

博士
表面処理という意味では同じじゃ。

博士
スプレー缶などで行う「塗装」だって表面処理の一つじゃ。
これに区分け「湿式めっき」、「乾式めっき」等があるんじゃ

ぱりとん君
塗装は分かりやすいけれど・・・

ピエーロ
詳しい説明欲しいデス。

博士
「湿式めっき」は、溶けた金属等に対象物を入れて電気を流したりする方法。
これがみんなが知っている、いわゆる「めっき」じゃ。

博士
「乾式めっき」には先ほど説明した、物理蒸着(PVD)と化学蒸着(CVD)に分類されるわけじゃ。

ぱりとん君
めっきだとやっぱり剥がれちゃうイメージ有るけど?

博士
今回の真空蒸着では、ガラスを傷つける程のひっかき、摩耗を受けてしまうと一緒に取れてしまうが、通常に使用して人の爪で剥がせるものではないな・・・

ぱりとん君
え?それじゃ・・・

博士
ちょっと待ってくれ。
色々質問があると思うので、少しまとめたものがあるのでこちらを見てくれ
■まとめQ&A■
    Q1.色の調整は可能?
    A1.波長のコントロールにより色の調整は可能になります。
     
    Q2.できない色ってあるの?
    A2.基本的にRGBでの製造がメインなので、正直経験のない色もある為、回答は難しいです。
    そのため、どのような色が欲しいのかをお聞きしてサンプル作成の後、調整をして仕様を決めていくことになるかと思います。
     
    Q3.透過と反射の色の組み合わせに制限はあるの?
    A3. 組み合わせに制限というよりは、基本的には透過と反射は補色の関係になります。
    反射・透過のどちらかの色を決めると、もう一方は補色の色となります。
    例えば「反射」が赤の場合→『透過』はシアン
    「反射」が緑→『透過』はマゼンタ)
    ご希望の色によっては吸収させる方法もあり、この場合は補色の関係にはなりません。

     
    Q4.熱の制限はありますか?(照明器具に組みこみたい)
    A4.ガラスへのコートであれば、製造プロセスで熱を加えながらの加工となるため、200~300℃程度は問題なく使用できます。
    (照明用のフィルターとしての実績もあります。)
     
    Q5.最大寸法は?
    A5.1200mm×1000mmになります。

 

協力:河合光学株式会社様

http://ns.kopt.co.jp/index.html

ピエーロ
パリトーンへの蒸着ができるっていう事で、更に一歩用途が広がりマシタ。

ぱりとん君
もうアートの世界だね。

博士
実はこの蒸着とは関係ないんじゃが、パリトーンは既にアート界に進出しているんじゃ

ぱりとん君
え?どういう事?

博士
詳しくはこちらを見るんじゃ。
パリトーンはアートの世界へ